ジメジメが気になるこの季節。
じつはジメジメの原因となる「湿度」を理解することで、快適な家の環境を作ることができます。
今回はそんな「湿度」について解説していきます。
1. 湿度が高いことの問題点
湿度が高いと、身体の不快感だけでなく、家の中でカビが発生するなど人にも家にも困ることが多くあります。
本棚の裏やクローゼットの中など、なんでこんなところに・・・というところでカビが生えたりするのは、湿度が空気を通じて家のあらゆる隙間を移動するという性質があるからです。
このように、湿度は一時的な不快感だけでなく、カビなどで長期的な健康被害も懸念されるので放置せずに正しく対策することが大切です。
2. なんでジメジメしちゃうの?湿度の基本
湿度とは、空気に含まれる水分の事です。
ここからは、どうして家に湿度が溜まってしまうのか?その仕組みを見ていきましょう。
2-1. 湿度はどこからやってくる?
家の湿度の発生源は大きく3つです。
・生活発湿:調理や入浴など室内で水に熱を加えた時に出てくる湿度
・人体発湿:人の呼吸や発汗で出てくる湿度
・外部負荷:屋外から室内に入ってくる湿度
家の湿度対策はこの3つに焦点を当てて対策することが重要です。
特に生活発湿と外部負荷が家の中の湿度の大部分を占めます。
2-2. 換気をすると湿度が下がるは勘違い?
ここで、よくある勘違いについて触れてみます。
よく家の中がジメジメしたときに、外が晴れているから換気をしようと思うことがあると思います。
しかし、夏などは外が晴れていたとしても、ほとんどの時間で家の中よりも家の外の方が、空気に含まれる水分量が多いです。
つまり、換気で家の中の水分を外に捨てたとしても、それ以上に家の外から水分が入ってきてしまうので家の中の湿度が下がらない、ということになってしまいます。
これが、夏に換気をしても家の中がスッキリしない原因になります。
真夏を想定すると、家の中の湿度が90%(室温26℃)を超えるくらいでないと、外気の方が水分量が多い状態になります。
3. 効果的な除湿方法
ここからは、家に溜まった湿度をどのように除湿していくか?という方法について解説していきます。
3-1. 風通しの良い間取り作り
まず初めに考えられるのが、風通しの良い間取り作りです。
空気が家じゅうを回ることで、家全体の湿度が平準化されて除湿の効果が高まります。
まずは空気が淀みそうな場所を減らして、風通しの良い間取りを検討しましょう。
3-2. パワフルな除湿ができるエアコン
機械での除湿を考えた時に最初に思い浮かぶのが、エアコンの利用だと思います。
エアコンの利用は、機械で行う除湿としては最もパワフルに除湿が出来る方法です。
ただし一つだけ条件があります。
それは「暑い時」しか使えないということです。
エアコンによる除湿は、家の空気を冷やして氷の入ったコップのように結露させることで、家の中の水分を除湿します。
そのため、家の中の温度が低いと部屋が寒くなりすぎてしまうので、自動的に除湿も止まってしまいます。
3-3. 確実な除湿が出来る除湿器
エアコン除湿の「使える時期が限られてしまう」という欠点を補っているのが、除湿器です。
除湿器は手軽に置けて部屋の温度に関わらず除湿が出来るので、オールシーズン使える除湿方法となります。
夏に強いコンプレッサー式と冬に強いデシカント式というものがあり、それを両方取り入れたハイブリット式というものもあります。
3-4. エコに始められる調湿建材
エアコンや除湿器と違い、電気を使わないエコな除湿方法として「調湿建材」があります。
これは建材そのものが湿度を吸着して、部屋の湿度が低くなるとまた放出するというものです。
LIXILのエコカラットなどが代表的な商品です。
電気を使わないエコな商品というメリットはありますが、建材が吸湿しきってしまうとそれ以上除湿しないというデメリットもあります。
3-5. 実は除湿に大活躍する熱交換換気
除湿の方法としてあまり有名ではないですが、熱交換換気は大きな効果を発揮します。
湿度の発生源で、生活発湿・人体発湿・外部負荷の3つを上げましたが、実は今の高気密高断熱住宅で最も影響が大きいのは「外部負荷」です。
そして、この外部負荷のほとんどが、換気をするときに換気の給気口から入ってきます。
熱交換換気は、この外から入ってくる湿度を取り除きながら家に給気してくれるので、外の湿度が高い夏でも部屋の中を快適に保ちやすくしてくれます。
この効果は除湿器1台分以上の効果があります。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は住宅の湿度対策について解説してきました。
家に溜まる湿度は、そのほとんどが屋外からやってくること、そしてその対策としてエアコンや除湿器、熱交換換気による除湿を紹介させていただきました。
住む人の快適性や住宅の健康を維持するために、湿度対策はとても重要です。
ぜひ今回の内容を参考にして適切な湿度対策をしてください。