近年キッチン空間はその利便性だけでなく、インテリアの一部としても注目されるようになりました。
その中で今回はキッチンのインテリアとしての美しさとキッチン本来の役割として求められる機能性について、今回は解説をしていきます。
1. キッチンデザインの最新トレンド
ここからは最近のキッチンのトレンドについて解説していきます。
1-1. 動線の短さを意識した配置
最近のキッチンはキッチンそのものの機能性だけでなく、配置の配慮で動線の短いプランが注目されています。
この設計思想はキッチンを使用する際の物理的な移動距離を最小限に抑えることを目的としています。
動線の中には冷蔵庫、シンク、コンロがあり、これらの三点を三角形の配置にすることで短い動線が実現されます。
この「キッチントライアングル」は調理時の効率を高め、余計な動きを減らすことで、調理プロセスをスムーズにします。
1-2. 高機能なビルトイン機器の採用
最近はIHコンロや食洗器でより高機能な物を選ぶ方が増えてきました。
食洗機でいえば従来のスライド式の日本製食洗機ではなく、フロントオープンと呼ばれる海外製の大容量タイプを選択する人が増えました。
自動調理の充実や掃除性の良さから、調理機器も高機能品を選ぶ方が増えています。
1-3. フラットでオープンなデザイン
最近は家が小型化していく傾向の中で、キッチン空間もより仕切りの無いフラットな間取りが採用されています。
その中でキッチンもフラットデザインにすることで開放的なリビングダイニング空間にキッチンが置かれたとしても、ノイズの少ない空間につながります。
合わせてノイズの少なさという点では、掘り込みの取っ手や、そもそも取っ手が無いプッシュラッチなど、取っ手を無くすことも多いです。
2. 機能性を高めるキッチンレイアウト
ここからはレイアウト視点から、キッチンの機能性を考えていきます。
2-1. 効率的な動線の設計
機能性を高めるキッチンレイアウトで最も重要なのは、効率的な動線の設計です。
作業スペース、収納、冷蔵庫、調理エリアを論理的に配置し、調理から清掃までのプロセスを円滑にします。
例えば食材の準備エリアを冷蔵庫の近くに配置することで、食材の取り出しや下ごしらえが容易になります。
また調理エリアとシンクを近づけることで、洗浄作業の効率が向上します。
このように各ゾーンの間の動きを最小限に抑えることで、調理プロセス全体の効率が向上します。
2-2. 収納ソリューションのアイデア
効率的なキッチンレイアウトを実現するためには、収納の考え方も重要です。
最適な収納スペースは、キッチンの使いやすさを大きく向上させます。
特にキッチン本体やキッチン背面にある収納は利用頻度も高く、重要な収納です。
頻度や使い勝手を考えると、ここは必ず引出しタイプを選び、収納全体を見ながら目的のものが探せる収納方法を心がけましょう。
3. キッチンの技術と設備
ここからはキッチンの設備について、詳しく解説していきます。
3-1. 加熱機器編
最近の調理器具は自動調理機能の搭載が当たり前になってきており、例えば鍋でお米を炊くのも、全てお任せでできます。
また清掃性の高さも魅力で、特に最新の機種は魚焼きグリルがとても掃除しやすくなっています。
IHとガスで悩まれる方もいると思いますが、基本的に清掃性・火力・調理器具の視点で選ぶと迷いが少なくなります。
3-2. 食器洗い機編
食器洗い機の技術は近年大きく進化しており、特にフロントオープン型の食洗器が注目を集めています。
もともとはミーレやガゲナウ・ボッシュなど、海外製メーカーが独占していましたが、2022年、2023年と日本製のリンナイ・パナソニックもとうとうフロントオープンを発売してきました。
スライドオープンタイプとフロントオープンタイプの大きな違いは、収容量と洗浄力になります。
特に大型の鍋などもそのまま入れられるのは、フロントオープンの大きな魅力です。
3-3. カウンター編
キッチンカウンターの材質選びは、耐久性、メンテナンスのしやすさ、美観を考慮して行いましょう。
一般的に選ぶことができるのは、ステンレス・人造大理石・セラミック・天然石になります。
数年前は特にセラミックのカウンターが耐久性と意匠性の面で注目を集めていましたが、最近では人造大理石の耐久性向上やカラーバリエーションの増加であらためて人造大理石を選ぶ方も増えています。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
いまやキッチンは単に調理する場所というだけでなく、インテリアの一部という役割も担っています。
また、仕事と家事の両立で忙しくなる中で、キッチンに搭載される設備も進化しています。
ぜひ今回の記事を参考にキッチンの役割をあらためて検討してみてください。