頑丈な家は地盤から!家の地盤について
地震対策では家の頑丈さだけが注目されますが、実は同じくらい大切なのが「地盤の強さ」です。
どんなに頑丈な家を建てても地盤が弱いと、頑丈な家を支えてくれません。
今回はそんな家の地盤について解説していきます。
1. 地盤の重要性について
地盤はなぜ家の耐震性において大切なのでしょうか?
ここではまず地盤の重要性についてお伝えします。
1-1. 地盤の弱さが原因で起きた地震被害
地盤の弱さからくる地震被害は、大型の地震が起こるたびに注目されています。
特に懸念されるのが地盤の弱さによる揺れの増加と液状化です。
まず地盤の弱さによる揺れの増加は、地震が起きた際に家を支える土地そのものが地震で大きく揺らされて発生します。
これは地盤の弱い土地をお皿に乗せたゼリーに見立てるとわかりやすく、お皿を揺らした時にゼリーはお皿以上に大きく揺れることが分かります。
こうした土地の上に家が建っていると、地震被害は大きくなってしまいます。
また液状化については地震後の被害が大きくなる傾向にあり、軟弱地盤から水が噴き出して硬化していた土地がサラサラの水と砂の状態になってしまうことです。
家が傾いたり、家の土地と道路の間に大きな段差ができたりするなど、大きな被害につながります。
このように地震発生時は地盤の状態が被害に大きく影響します。
1-2. 2000年の建築基準法改正で地盤調査が義務化に
では現在は地盤についてどれくらい心配する必要があるのでしょうか?
実は2000年の建築基準法で、いまは家を建てる土地の地盤調査が義務付けられています。
そのため建築前には必ず家が建つ土地の地盤の強さが確認されるようになっています。
またその際に地盤が弱いと判明した場合でも、いまは「地盤改良」と言われる技術が確立されており、家が建つのに相応しい状態にすることは可能です。
2. 土地探しの際に気を付けたい地盤の弱い土地について
ここからは土地探しの際に気を付けたい、地盤選びのポイントについて解説していきます。
地盤の弱い土地というのはある程度見当が付くことが多いので、ぜひ参考にしてください。
2-1. 盛土や切土の土地
盛土や切土というのは、山の傾斜地を切り出したり、土を盛ったりして作った平たんな土地です。
特に盛土の場合は元々あった地盤ではなく、新しく作り出した地盤なので土地が軟弱な可能性が多いです。
ただ、どの土地が切土や盛土なのか分かりづらいと思います。
そうした方は「大規模盛土造成地マップ」を使うのがおすすめです。
市区町村ごとに盛土の所在とその安定性を調査した結果が載っています。
2-2. 川や湖など水の近くの土地
次に気を付けたい場所が、川や湖など水の近くの土地です。
こうした土地は地中に地下水が通っていたり、そもそも昔に湖だった場所を埋め立てていたりするので、地盤が弱い可能性が高いです。
もう一つ気を付けたいのが、昔は川があったが現在は無くなってしまって気づきづらい土地です。
こうした土地は予期せず地盤が弱い可能性が高いので、後々の地盤改良で金額が高くなる可能性があります。
事前に調べるには土地名や古地図を見るという方法が可能です。
例えば「渚・沼・沢・谷」など水や窪地を連想させる名前は、低地で水が溜まりやすい土地で、過去に湿地や池・川だった可能性があります。
古地図は図書館などでも見ることができ、以下のようなHPでも確認可能です。
3. 適切な地盤対策とは?
ここからは具体的に土地が決まった後にできる地盤対策について解説します。
3-1. 地盤調査
地盤対策の基本は地盤調査です。
これは法律でも決まっているので、必ず実施する内容です。
家が建つ土地の地盤を調査することで、改良が必要なのか改良無しでもしっかりとした地盤なのか確認することができます。
地盤調査にはいくつか方法がありますが、住宅ではスウェーデン式サウンディング試験という試験が一般的で5〜10万円程度でできる調査方法となっています。
3-2. 地盤改良
地盤調査の結果、地盤改良が必要となった場合に行うのが地盤改良です。
地盤改良の方法には大きく分けて表層改良と杭打ちの2パターンがあります。
表層改良は主に、地 盤表面だけが軟弱な場合に使われることが多いです。
逆に軟弱地盤が深い場合には強固な地盤に届くまで杭打ちをすることで、家を支える地盤に改良します。
4. まとめ
今回は地震対策で重要な地盤について、解説しました。
地盤についてはまず土地選びの段階で、地盤の弱い土地を避けるのが重要です。
また、もし選んだ土地が軟弱地盤だとしても地盤調査や地盤改良を行うことによって対策を行うことができます。
地盤は大切な地震対策なので、家の耐震対策と合わせてぜひ検討してください。