家を設計する際に気を付けたいのが間取りについてです。
もちろん理想の間取りは人によって違うので正解は無いですが、よくある失敗を見ておくことで「自分もここは気を付けよう!」と思えるものです。
今回はそんな失敗しやすい間取りのチェックポイントについて解説していきます。
1. 動線について
家の間取りで最も重視すべきは動線の設計です。
動線とは、日常生活での移動ルートや活動パターンを意味し、これが効率的でなければ生活の質に直接影響します。
例えば、キッチンからダイニング、バスルームから寝室への移動がスムーズでなければ、日々のストレスの原因となります。
動線は、生活スタイルに合わせて設計する必要があり、間取りが出来たら家族の動きや家事の流れを事前にシミュレーションしておくことが重要です。
1-1. 水回りが離れすぎて家事動線が悪くなっていないか?
一つ目のチェックポイントが水回りについてです。
水回りの配置は家事効率を大きく左右しますので、キッチン、洗面所、バスルームが適切に配置されていないと、無駄な移動が増えてしまいます。
特に朝の家事が忙しい方はキッチンと洗濯機・物干しの位置は、食事の準備や洗濯といった日常の家事動線を考慮して、できるだけ近い位置に設計することが望ましいです。
またダイニングの動線を考えると、キッチンとダイニングテーブルの配置も重要な要素です。
1-2. 動線の中に「余計」な廊下は含まれていないか?
動線を効率化するためには、余計な廊下の排除が重要です。
廊下は移動のための空間であり、無駄に長い廊下は生活空間を圧迫し、家全体の使い勝手を悪くします。
廊下の面積を無くすことで掃除の手間も減りますし、家の減額にもつながるのでしっかり目的を確認しましょう。
2. 収納について
収納スペースは家の整理整頓に直接関わる要素です。
適切な収納設計は、生活空間を快適に保つだけでなく、家の見た目の美しさにも寄与します。
2-1. 収納は十分か?増やしすぎていないか?
収納スペースは多ければ良いというわけではありません。
収納を増やしすぎると、逆に空間を圧迫し、家の広さを犠牲にすることになります。
適切な収納量の見極めは、日々の生活で必要な物の量や種類、使用頻度を把握することから始まります。
そのために間取りの作成時に整理収納アドバイザーに入ってもらい、適切な収納設計を検討するのも一つです。
また家族の成長や季節性に伴い変化する収納ニーズに対応できるよう、家の中だけでなく屋外の収納も検討することが大切です。
2-2. 収納はしまうものに合わせた奥行きになっているか?
収納の奥行きは収納する物に合わせて適切に設計することが重要です。
深すぎる収納は物が取り出しにくくなりますし、浅すぎると収納力が低下します。
例えばキッチンの収納であれば、メーカーの既製品でも45cmと60cmの奥行きがあります。
目的に合わせた奥行きを確保し、住み始めてからの使いづらさを未然に防ぎましょう。
3. 部屋作りについて
部屋ごとの目的に合わせた設計は住まいの快適性を高めますので、ここからは部屋作りについてご紹介していきます。
3-1. 目的通りに使われる部屋になっているか?
各部屋はその用途に合わせて設計されることで、最適な使い勝手と広さになります。
とくに子供部屋などは、将来の使われ方の変化も考慮して検討することが大切です。
また在宅ワークなどで使用する目的があれば、音環境への配慮も大切になります。
3-2. 家事を楽にするスペースは確保されているか?
家事効率を考慮した空間作りは、住んでからの時間を生む大切な投資です。
例えばランドリールームでは、物干し・作業台・収納場所などが一か所にまとまると、大幅に家事が楽になります。
もちろんランドリールームを広くすればそれだけ別の場所が狭くなるので、「何を大切にするか?」をしっかり決めることで、住んでからの後悔を減らすことができます。
4. 窓について
窓は光と風の流れをコントロールする重要な要素であり、住まいの快適性に大きく影響します。
4-1. 日射を考えられた窓になっているか?
窓の位置や大きさ、そして方角は部屋の明るさや温度に大きく影響します。
例えば日中あまり使わない部屋なのに、日射が強い方向に大きな窓を作ってしまうと、明るくするメリットが無いのに、熱のロスだけが大きくなるというデメリットだけが残ります。
4-2. 常識だと思って余計な窓をつけていないか?
窓は必要な場所にのみ設置するべきです。
無闇に多くの窓を設けると、プライバシーの問題や断熱性の低下を招く可能性があります。
窓は大きくて多い方が良いというのは昔の常識になりつつありますので、ぜひ窓の必要性をしっかりと考えた配置を検討してください。
5. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は失敗しやすい間取りのチェックポイントについて解説しました。
前もって失敗しやすいポイントをおさえておくことで、住み始めてから後悔の無い家づくりをしてください。