電気代の高騰や地球温暖化という話の中で、「ZEH(ゼッチ)」という言葉が住宅業界では一般的になってきました。
これはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略語ですが、正直ZEH(ゼッチ)とはなんのことかよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなZEHについて、基本的な部分から解説していきます。
1.ZEH(ゼッチ)とは未来のスタンダード住宅
ZEHとはこれからの日本の標準的な家になる住宅の仕様です。
日本政府は2030年に全体の半分をこのZEH住宅にするという計画を立てています。
ここからはそのZEHとはどんな家なのかを紹介していきます。
1.1 使う電気と創る電気でエネルギー収支「ゼロ」の家
ZEH、すなわちネット・ゼロ・エネルギー・ハウスは、その名の通り家のエネルギー収支をゼロにする住宅です。
もう少し分かりやすくいうと、家で太陽光発電などで創る電気量と家で家電製品などで使う電気量が同じ、または作る方が多くなる家のことです。
このZEH住宅は高い断熱性能と太陽光発電システムを組み合わせることで実現しています。
断熱性が高くなると一般的な住宅と比較して、クーラーや暖房の使用頻度が格段に低く、それでいて一年を通して快適な室温を保つことができます。
またそうして使用電力を下げたうえで、それを賄えるように太陽光発電で電気を創ることで実質的に使用するエネルギーがゼロになります。
こうしてエコなうえで経済性と快適性を両立させた新しい形の住まいが、ZEHです。
1.2 政府の推進政策
ZEHは住んでからの光熱費や快適性だけでなく、買うときの補助金という面でもメリットがあります。
日本政府は、2030年までに新築住宅の約半数をZEHとする目標を掲げています。
これを受け多くの住宅会社がZEH対応の住宅を展開していますが、そのZEHの普及を後押しするための補助金や税制優遇など様々な支援策があるのがZEHの特徴です。
具体的な例で行くと、国が実施しているZEH住宅の補助金では1戸当たり55万円、ZEHよりさらに高性能にしたZEH+では100万円の補助金が出ます。
また地方自治体でもこうした後押しがあり、愛知県では太陽光発電や蓄電池の導入に補助金があります。
こうした背景もあり、近年よりZEHの導入が現実的な選択肢となっています。
2.ZEH住宅のメリットとは
ここからは具体的にZEHのメリットについて解説していきます。
2.1 エネルギーコストの削減
ZEHの大きなメリットとして、エネルギーコストの削減が挙げられます。
ZEH住宅では断熱性を高めてそもそも使う電気が少ないうえに、太陽光発電システムにより自宅で電気を創っているので、それを使用することで電気代を大幅に削減できます。
また余った電力は電力会社に売ることができるので、電力会社から買った金額と売った金額が相殺されて収支がプラス(売った金額の方が多い)になる場合もあります。
2.2 快適な室内環境
ZEH住宅の特徴として高気密・高断熱という特徴があります。
高断熱な家は外からの暑さ・寒さの影響を受けづらく、家全体で夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を実現します。
また断熱性が高いということは壁に使われている断熱材の量が多いということなので、静音性も高くなります。
例えば人や車通りが多い場所などでも、外の音が遮断され静かな室内環境の実現が可能です。
3.初めてのZEH購入ガイド
ここまでZEH住宅について解説してきました。
ここからはZEHの住宅をいざ欲しいと思った時に、どのような流れで検討していけば良いかを紹介していきます。
3.1 適した立地の選定
ZEH住宅を実現するには、太陽光が十分に得られる立地選びが重要です。
ZEH住宅のポイントとして太陽光発電で電気を創るという点があるので、屋根にしっかりと日が当たるかは重要なポイントです。
とくに太陽光は南向きの屋根に設置できるともっとも効率よく発電ができるので、その視点で周囲の建物や樹木による影響はないかなど、立地条件をしっかりとチェックしましょう。
3.2 住宅会社選びのポイント
ZEH住宅を購入するには、過去にZEHの実績がある住宅会社を選ぶことが大切です。
ZEHを建てるには専門知識や技術が必要なため、実績や口コミを基に信頼できる会社を選びましょう。
また提案力やアフターフォローにも注目して、長く安心して住めるパートナーを選べるのは購入後にも後悔しないためにとても大切です。
まとめ~ZEHで始める新しいエコライフ~
ZEHはエコなうえで経済性と快適性を両立させた住まいです。
エネルギーコストの削減と快適な生活空間を実現し、持続可能な社会に貢献します。
しっかりとした情報収集と経験豊富な住宅会社を選ぶことで、安心して未来の住まいを手に入れましょう。