皆さんは「動線」という言葉を聞かれたことはありますか?
動線とは、日常の生活や仕事の中で、建物の中を人が移動する経路のことです。
動線を意識することは、家づくりにおいて重要です。
今回は、中でも重要な水回りの動線の効率化についてご紹介します。
様々な動線
そもそも動線は、「生活動線」と「家事動線」に分けられます。
生活動線とは、日常生活を送る上で台所や浴室、リビングなどを移動する際の動線のことです。
一方で、家事動線は生活動線の中でも、特に家事に関する動線のことを指します。
毎日の掃除・洗濯・料理といった仕事の繰り返しによる負担を少なくするためには、家事動線のことを考慮することが重要となります。
家事の中でも、洗濯は特に動きの大きい仕事のため、以下では、洗濯を意識した家づくりについて述べていきます。
洗濯の動線について意識した家づくり
洗濯は、「洗う」、「干す」、「取り込む」、「しまう」という4つの動作に分けることが出来ます。
洗う
最初に、「洗う」について考えましょう。
この際に重要となることは洗濯機の設置する場所です。
水回りを集約することで、動線を短くできるため、風呂場の近くに設置することが良いとされています。
干す
次に、「干す」についてです。
洗濯ものを干す際には、自然乾燥を屋外で行うためにベランダに干す方が多いです。
戸建住宅の場合、風通しと日当たりの面から、2階のベランダが多いでしょう。
しかし、それでは動線が長くなってしまうといった問題があります。
この問題を解消するために、二つの解決策があります。
1つ目は、水回りとベランダを直結させる設計をすることです。
この設計により、動線が大幅に短くなり、洗濯物を持って移動する際の負担が少なくなります。
2つ目は、サンルームなどの室内干しが可能なスペースを近くに配置する方法です。
この方法は、動線のカットが可能になります。
また、ベランダを他の目的に有効利用することもできます。
場合によっては、庭にスペースが取れないため、ベランダでガーデニングを楽しむといった方もいます。
また、洗濯中にかかる時間を利用して、他の家事を行うといった方もいます。
こういった場合、台所やリビングも近くに配置することで空き時間に他の仕事を行うことができます。
小さなお子さんがいる家庭の場合、お子さんから目を離すことも少なくなり、安心できます。
取り込む・しまう
最後に、「取り込む」、「しまう」についてです。
これは家庭によって、設置する場所が分かれてきます。
そのため、家づくりの際に実際に生活することをイメージした配置が重要となってきます。
干す場所とたたむ場所、しまう場所が近ければ近いほど、洗濯を効率よく行うことできるということを覚えておきましょう。
今回は、水回りにおける動線の効率化についてご紹介しました。
最後になりましたが、洗濯を意識した家づくりでの理想は、「洗う」「干す」「取り込む」「しまう」がコンパクト・直線状になることです。
なかなかすべてを達成することは難しいですが、家づくりの際に意識してみるとよいでしょう。