仲良く並ぶ兄妹の家
思わず深呼吸したくなるような美しい田園風景の中に、家が2軒、仲良く肩を並べている。
シックな黒い家と、爽やかな白い家。これらは、ある兄妹の家だ。黒い家にはお兄さんのご家族が、白い家には妹さんのご家族が暮らしている。
前回、お兄さんの住む黒い家をご紹介させていただいたが、今回ご紹介するのは、妹さんの住む白い家の方。ご夫婦と1歳のお嬢様が暮らす、2階建ての家だ。
この家の奥様、実は、サンクスホームのスタッフである。取材時は育児休暇中だったが、この春から職場復帰。皆さまの家づくりのお手伝いをしている。
家づくりのプロならではの〝マイホーム〟へのこだわり、そして内部の人間だからこそ分かる、サンクスホームというハウスメーカーの特徴について、話を聞いた。
風と光が通り抜ける、個性的な間取り
お宅に伺いまず案内されたのは、長い廊下の先の、明るく気持ちの良いリビングだった。
家の外観同様、白を基調とした清潔感のある空間。木のナチュラルな質感とブルーのアクセントクロスが、白に柔らかな色を添え、全体の雰囲気を心地よくまとめている。
このリビングルームに入るまでに感じたことだが、Y様邸の間取りは、少し変わっている。
玄関を開くと広がる、開放的な空間と、たっぷり収納のシューズクローク。最近よく見かける間取りとしては、そこからすぐにリビングルームへと繋がる扉があるのだけれど、Y様邸は そうではない。
代わりにあるのが、長い廊下だ。そしてその途中途中に、いくつかの扉と階段がある。
サンクスホームでは多くのご家族と自由設計で家づくりをしているが、限られた建築面積の中で、より広く居住空間を確保するため、廊下は作らないという選択をされる方も少なくない。また、客間を必要とする家も最近では多くなく、そのため、玄関とリビングが近い間取りがトレンドだ。けれどもY様邸には、長い廊下がある。
筆者が興味深く感じていることが伝わったのか、取材を始めてすぐに、Y様がお話ししてくださった。
「廊下って、今時珍しいですよね。だけど実は、この間取りで一番こだわったポイントなんです」
繰り返すが、Y様邸の間取りは少し変わっている。
しかしそう感じる理由は、最近では珍しい廊下のためではなく、廊下から続く部屋同士の関わり方にあった。
廊下の扉から入る各部屋は、一見独立しているように思えるが、実はそうではない。
玄関から順に、寝室、和室、リビング。その各部屋からウッドデッキに出られるようになっていて、他の部屋へとつながる仕組みになっているのだ。
風と光が、それぞれの部屋を、通り抜けていく。
デッキ側から見る部屋は、長い廊下から見るのとはまた全く別の表情をしている。意外な開放感が、面白い。
なぜこの間取りにしたのか伺うと、奥様から〈平屋〉というワードが出てきた。
「もともと平屋に住みたかったので、この家は“平屋使いができる2階建ての家”を目指しました。だから1階は、平屋のようにこのフロアだけで、生活に必要な移動の全てが行える、バランスのとれた間取りにしたかったんです。プライベートスペースと共有スペースの関わり方にも、こだわりました」
“平屋使いができる2階建ての家”。まさにこの個性的な間取りを表しているなと、大いに納得した。
一見仕切られているように見えつつも、実際には繋がっている各部屋。
「おうち時間」が増えた昨今、家族といえども、プライベートの確保は重要な課題になっている。家にいても、それぞれの仕事、それぞれの趣味で、別の時間を過ごすわけだが、だけど完全に独立した部屋では、やっぱり少し寂しい。
必要なのは、絶妙な距離感。この家は、人が、光と風と共に自然とつながるような、今の世の中にもぴったりの心地よい間取りだと感じた。
「寝室で朝起きると、ウッドデッキで洗濯をしている妻の気配を感じるんです。寝室とデッキとでしばらく会話をして、そのまま自分もデッキを通って一緒にリビングへ行く…ということもあります」と旦那様。素敵な朝の光景を思い描く事ができる。
風と光が通り抜ける個性的な間取りは、平屋を意識した間取り。
“平屋使いができる2階建ての家”というキーワードを、さらに紐解いていきたい。
平屋使いができる2階建ての家。子供部屋だけ、2階に。
家を建てると決まった当初から、夫婦で同じ方向を見ていたわけではなかった。
奥様は平屋を希望し、旦那様は、一般的な2階建てを希望していたという。折衷案として、この間取りになったそうだ。
実はこの家を建てるまで、ご家族は旦那様のご実家に住んでいた。総勢8名の大家族。だからこそ旦那様は、“自分の時間”と“みんなの時間”のバランスが大切だと、つねづね考えていたのだ。そのためには、「部屋数を確保し、リビングはリビング、個室は個室として区別する必要がある」と。
一方奥様は、ハウスメーカーという仕事柄平屋を案内することも多く、その過程で、自身も平屋に憧れる気持ちが募っていった。
そこで考えついたのが、“平屋使いができる2階建ての家”。
あまり聞かないテーマかもしれないが、実は最近、新しい家のスタイルとして、人気を集め始めている。
1階の間取りは、先述のとおり。2階には、将来的にお嬢様が使う子供部屋がある。
「まだ小さいけど、いつか娘にも思春期や反抗期がくる。そんな時に、1階だけじゃなく2階にも居場所があるというのは、結果として良かったかもしれません。長い人生で見たら娘が使う時間なんて一瞬だろうけど、友人のゲストルームとして使ったりもできるなと思っています」
2階建てを望んでいた旦那様は、今では平屋のような1階を気に入っている。
「いざ住んでみたら、一般的な2階建てのように個室にこだわらなくても、プライベートが確保されていて、十分自分の時間が楽しめます。他の部屋の気配を心地良い範囲で感じられるので、かえってホッとするような気もしますね」
“平屋使いができる2階建ての家”は、平屋と2階建ての良いところ取りな間取りのようだ。
分業制の安心感。サンクスホームにいたから分かること
冒頭に触れたように、奥様は、サンクスホームのスタッフである。これまでハウスメーカーとして、自身多くのお客様の家づくりをお手伝いしてきた。
自社で家を建てることは、自然な流れなのだろうか。
「勤めているからといって、自分のハウスメーカーで建てるとは限りません。実際、他メーカーの方がサンクスホームで家を建てられることもあります。そういう方は、この業界にいるからこそ感じることが、もしかしたらあるのかもしれません」
ただ、と、奥様は続ける。
「ただ私は、サンクスホームで建てることに迷いはありませんでした。いざ建ててみても、やっぱりここで建ててて良かったなと思います」
間取りで一番こだわったという長い廊下は、奥様がご自身で考え、図面を引いた。
「設計のプロじゃないのでもちろん完璧には引けませんが、設計士さんが想いを汲み取ってくれて、耐震などの観点から手直しをしてくれました。スタッフという立場からも、その親身さは会社の強みだと思っていましたが、こちらの希望をきちんと受け入れてくれる姿勢に、家を建てる側として、改めてとても安心できましたね」
もちろん普段は、このようにお客様がご自身で希望の図面を持ってくることを除いては、専門の設計士が全ての図面を引くことがほとんどだ。
けれどもサンクスホームは、各担当と密にやり取りできることが魅力。また分業制のため、営業、設計、内装それぞれにプロの担当がいるので、些細なことでも相談しやすい。
Y様のように自分で図面を引けなくても、専門性を持ったスタッフに、直接要望を伝えられる。各方面のプロが、連結し、専門的なアドバイスを出し合ってくれるからこそ、自分達の希望を納得のいくかたちで、家づくりに落とし込むことができるのだ。
「好き」と「便利」を詰め込んだ内装
内装には、ハウスメーカーにいたからこその知識やこだわりが、豊富に詰まっている。
調光可能で開放的な折り上げ天井や、音楽を聴きながら料理を作ることが趣味という奥様の希望で取り入れた、スピーカー入りの照明。ブルーのクロスによるアクセントカラーや、童話のおうちのような丸いカッティングが愛らしい洗面所の出入り口。それから実用的なところだと、お子様のベビーカーやプールなどのおもちゃ、またアウトドア用品を簡単に出し入れできる 広い〈外部物入れ〉は、とても便利だという。
「おかげさまで、見学会でもとても好評でした。この家は、ハウスメーカーとして勤務していたからこその家。お客様から教えていただいたことや、経験が詰まっています。自分も〝マイホーム〟を建てたからこそできる話を、仕事復帰の春から、またお客様に共有していきたいです」
こんなにも、ワクワクする。「家づくり」の魅力
家づくりのプロとして、いくつもの家に関わってきた奥様。こうして実際に自分の家をつくってみることで、特に感じたことは何かと問うと、とても純粋で素敵な答えを聞くことができた。
「ワクワクするんだって思えました。家づくりってこんなにもワクワクするんだ、と。これは当事者になったからこそ、気付くことができた発見です。休みの日に施工を見に行ったり、クロスや断熱材、カウンターなど、日を分けて一つずつ決めていく過程が、とても楽しかった」
家づくりは大変だけれど、同時にとてもワクワクできること。そしてその高揚感こそ、家づくりの最大の魅力なのかもしれない。
人生の一大イベントとして、お祭りを楽しむ気持ちで、家づくりをしてみよう。現実的な調整や、的確なアドバイスは、サンクスホームがしてくれる。ワクワクする気持ちを、まずは純粋に楽しんでみてほしい。
未来の家族を「思いやる」ということ
取材の最後にご夫婦が話したことが、この家の全てを表していた。その言葉に触れて、記事を綴じたい。
「家族といっても、思いやりが大切。“平屋使いができる2階建ての家”にしたのは、そういう思いやりを維持できる距離感を作りたかったからかもしれません」と奥様。旦那様が続ける。
「大きくなった娘をはじめ、未来の家族のことを考えて家づくりをしました。いつまでも『ありがとう』や笑顔を気持ちよく届けあうことができる、そんな間取りだと思います」
未来の家族を思いやる。
きっとここには風と光だけでなく、お互いを思いやる優しい気持ちが、いつまでも満ちているのだろう。
これからお家づくりをはじめる方へ
サンクスホームでは、これから家づくりをはじめる人にとって参考になってもらえるよう、OB様邸について詳しく話を聞くことができる相談会を開催。
お家自体の事はもちろん、実際に暮らしているお施主様からリアルな話を聞く事ができる貴重な機会に。
※個別にて相談会を開催いたします。ご予約日時については、ご都合や予約状況に合わせて調整させていただきます。