住宅を計画するにあたっては、少しでもコストを抑えて安く建てたいという思いがあると思います。
今回はそんなコストの話の中でも、とくに平屋に絞って解説をしていきます。
1. コストを考えた平屋のススメ
ここからはコストを考える時のポイントについて、紹介していきます。
1-1. 建築コストが注目される理由
住宅においてコストは、最終的な住宅の価値と品質を大きく左右します。
予算の制限が厳しい中でコストの抑制は、快適な住環境を手頃な価格で実現するための鍵となります。
またコストというと、買った時だけのことを思いがちですが、光熱費や将来のメンテナンスなど、長期的なランニングコストも忘れてはいけません。
初期にかかるコストとランニングコストを足したライフサイクルコスト(生涯費用)で検討することが大切です。
1-2. 平屋の初期費用を左右する要因
平屋の初期費用は大きく分けて土地の価格、床面積(施工面積)、建築材料の種類、設計の複雑さなどに影響を受けます。
土地や床面積には分かりやすい例で、広くなればなるほどコストはかさみますし、とくに平屋は必要とする土地の面積が広いので、慎重な計画が必要です。
一方で分かりづらいのが、建築材料の種類や設計の複雑さです。
とくに面積が広い外壁や床材の種類をグレードアップするとすぐにコストが上がってしまいますし、凹凸が多いなど家の作りが複雑になるとコストアップにつながります。
ただこうしたものは一般の方にはあまり知識が無い部分なので、良く調べるとともに、専門家の意見を上手く活用することも大切です。
2. コストを抑えるための設計のポイント
ここからは具体的にコストを抑えるためにできることを、紹介していきます。
2-1. 効率的な間取りの計画
効率的な間取りの計画は、限られた予算内で最大限の利便性を実現するための重要な要素です。
平屋は床面積を増やそうとすると、そのまま基礎や屋根の施工面積が増えるので、間取りは平屋のコストに関わる重要な部分です。
部屋の配置やサイズの最適化はもちろん、天井の高さなども大切な検討ポイントです。
平屋は天井の高さに余裕が出やすいので、あえて全体の天井高を高くしてそこにロフトを設けることで、必要な床面積は稼ぎつつ施工面積を減らすことができます。
またコストを抑える間取りの基本は仕切りを少なくシンプルにすることです。
こうすることで視界は広く快適になり、間仕切りに使う余計な壁や建具も不要になるので、コストを抑えることができます。
2-2. 材料選びでコストダウンを実現
建築材料の選択は、費用面だけでなく、耐久性、メンテナンスの容易さなどの要素を考慮する必要があります。
例えば外壁材に使われるサイディングは、グレードによって塗り替えの頻度が15年~20年程度変わってきます。
平屋は塗り替えの費用が安いと言っても、100万円以上掛かります。
壁材のグレードを上げても価格が100万円上がることは無いので、将来発生するコストを踏まえて壁材のグレードを上げるという選択肢もあります。
このようにメンテナンスが関わる項目は、ある程度の予算を掛けても将来的に元が取れることが多いでしょう。
逆にデザインなどを理由に上げている価格についてはよく吟味してください。
デザインを理由に価格が高い物は、将来のメンテナンス費用も高くなりがちです。
3. 価格を抑えるための資金計画
ここからはコストの前提を決めるうえで大切な資金計画について紹介していきます。
3-1. 予算策定の重要性
予算策定は皆様に合った家づくりをするうえで不可欠な要素です。
予算の設定には建築コストだけでなく、土地代、設計料、諸経費を含めた総合的な見積もりが求められます。
また最近では予期せぬ値上げなど、予定外の出費に対応するために予算にはある程度の「余裕」を持たせておくことが重要です。
この予算をしっかり決めておくことで、設計をする中でなんとなく予算を上げてしまうということを減らし、取捨選択しながら自分に合った予算を目指すことができます。
3-2. 長期的なコストパフォーマンスを考える
資金計画では予算策定で決めた予算をもとに、住宅ローンや光熱費、将来に掛かるメンテナンスコスト等も含めて、検討する必要があります。
またこの時の総支払い額が低くなるようなコストパフォーマンスが高い家づくりが大切です。
省エネ性が高い家にすれば日々の光熱費が削減できますし、耐久性の高い材料にすれば定期的に発生するメンテナンス費用を抑えることができます。
このように総支払い額でのコストパフォーマンスに注目して計画していくと、仕様の取捨選択をするときの基準を明確にすることが可能です。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は平屋のコストの抑え方について、解説しました。
平屋のコストを抑えるためにはそもそもの間取りや建築資材などのグレードを調整する必要があります。
さらに気にして欲しいのは、初期にかかるコストだけでなく将来のランニングコストも含めたライフサイクルコストだとお伝えしました。
ぜひ今回の記事を参考にして、資金計画と予算に合った住宅作りを目指してください。