都市部などで敷地が小さくて平屋を諦めてしまう方は多いのではないでしょうか。
しかしそんな小さな土地でもコツを意識すると、快適な平屋作りを目指すことができます。
今回はそんな都市部の小さな土地でも平屋を検討するコツについて、紹介していきます。
1. 小さな土地で平屋建てを建てる際の計画段階
まずは計画段階で必要なポイントについて解説していきます。
土地選びや法規制などの項目に分けて確認していきましょう。
1-1. 土地選びのポイント
小さな土地でも形状や立地が整っていると、敷地面積全体を効果的に使うことができます。
例えば、幅が狭く縦長の土地の場合、コンパクトに機能ごとのスペースに区切ることで奥行きを活かした設計が可能です。
また角地の場合は二方向に面しているため、プライバシーの点では懸念要素はありますが、コンパクトな土地に建つ平屋の課題である開放感が確保しやすいです。
このように土地の形状に合わせた設計を行うことで、限られたスペースでも快適な住空間を確保できます。
1-2. 法規制との兼ね合い
法規制は建築可能な面積や高さ、隣地との距離など住宅設計に大きな影響を与えます。
特に小さな土地では隣地や道路との境界線からのセットバックや、日照権の確保など、細かい規制を理解する必要があります。
注意してほしい規制については以下の通りです。
・建蔽率:土地に対して家を建てられる面積の割合
・接道義務:幅4m以上の道路に2m以上接していること
特に接道義務に関しては、道幅が確保できていないとセットバックが必要になるなど、家の建築面積に大きく影響します。
逆に平屋は高さが低いので、斜線規制はあまり影響せずに建築が可能です。
これらの規制を遵守しながらも、空間を最大限に活用するための工夫が求められます。
1-3. 予算の設定と予算割合
土地選びのポイントの最後は、予算設定です。
建築費用は大きく土地代・建築費用・外構費用に分けられます。
都市部では狭小地といえども土地代が高くなりがちなので、土地代にいくら割り当てるか?はとても大事なポイントです。
それを明確にするためにも、あらかじめ建築会社のめどを立てておいて建築費用の概算を知っておくことで、土地代に割り振れる金額が明確になってきます。
2. 建築のコツとデザインのアイデア
ここからは狭小住宅の建築面でのコツを紹介していきます。
2-1. 空間の最適化と収納の工夫
平屋建ての住宅では限られた床面積を最大限に生かすために、高い天井や大きな窓を設けて空間の開放感を増すことが効果的です。
また、可動式の家具や壁面を活用した収納システムを取り入れることで、柔軟な空間利用が可能になります。
キッチンやバスルームなどの機能的な空間では、内蔵型の収納を多用することで、生活用品をスマートに整理しすっきりとした見た目を保つことができます。
また屋内外の連続性を考えた設計を行うことで、小さな土地でもより広く、快適な生活空間を創出することができます。
例えば道路面などには視界が抜ける高窓などを設置すると、空間以上の広さを感じることができます。
2-2. 外構面積の最小化とインテリアとの調和
敷地を目いっぱい使う都市部の平屋では、外構面積を小さくできる点がメリットと言えます。
外構面積を小さくすることで、土間コンクリートの敷設費用などの外構費用を大幅に削減することができます。
またもう一つの大切な要素が外構とインテリアの調和です。
例えば道路に面したリビングに大きな窓をとった場合には、外構に外からの目線を遮るものを作ることで、室内の開放感と家族のプライバシーの両立ができます。
3. 維持管理と将来を考慮した家づくり
最後は平屋の維持管理と将来のリノベーションなどを考慮した視点について解説していきます。
3-1. エネルギー効率の良い家づくり
まずはランニングコストの面で大切なのがエネルギー効率の良い家づくりです。
平屋は家の面積が小さいので、もともとエネルギーが少なく済む家となっていますが、さらに断熱性能の高い材料の選定や太陽光パネルの活用などをすることで生活コストの削減が可能になります。
3-2. リノベーションと将来の変化への対応
家族構成の変化やライフスタイルの変動に対応できる家づくりは、長期的な視点で重要です。
例えば、子供がいる間は部屋が狭くなっても壁で区切って家族個々のプライバシーを確保することが大切ですが、将来的には壁を取り払ってより生活しやすい広さの間取りへ変更することも検討したいところです。
そのためにも、壁の間仕切りはなるべく構造材が入らないようにして、将来的に取り外ししやすいような工夫が大切です。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は都市部で建てる平屋のポイントについて解説していきました。
平屋に適した土地選びと、敷地に合わせた住宅の建築を行うことで、狭小地でも快適な平屋の住宅を目指すことが可能です。
ぜひコストと満足度のバランスが良い平屋の検討に役立ててください。