平屋は階段がなくワンフロアなため、コンパクトで楽な生活動線になります。
子育てや仕事をしながらでも、出来るだけ効率よく動きたい現代の若者世代にとって、平屋はとても魅力的な住宅タイプです。
けれど、よく「平屋は高い」と聞くため心配になっている人も多いと思います。
こちらの記事では、高いと言われる理由の中でも見落としがちな、固定資産税に関して主に解説し、固定資産税を抑えるためのポイントもご紹介します。
建築費や土地代よりも固定資産税に注目
平屋が高いと言われる理由に、建築費、土地代が掛かることは何となく予想ができると思います。
● 建築費が高くなる理由
平屋は、階段がないことで建築費を抑えることもできますが、やはり基礎の面積が一般的な2階建てよりも大きくなります。
基礎工事は建築費用の中で大きく割合を占め、また屋根や壁の資材も多く使われるため、費用が高くなる傾向にあります。
1階面積が大きいということは、2階建てよりも坪単価も高くなります。
● 土地が高くなる理由
例えば2階建ての場合、1階面積35坪の家でも、総2階にすれば単純計算で70坪の延べ床面積の家を建てることができます。一方平屋の場合は同じ延べ床面積で家を建てようとしたいとなれば70坪の面積が必要です。
そのため、建物以外の面積を最低限にしようとしても、それなりに相応する土地の広さが必要になります。
● 見落としがちな固定資産税
建築費用と土地代を合わせると、大体の月々の住宅ローンが見えてきます。
しかし、住宅取得後には、さらに固定資産税と、都市計画税という地方税が毎年かかります。
これらは、各自治体へ土地と建物の税金それぞれを支払う義務があります。
賃貸物件に住んでいた時にはなかったものなので、予算として見落としがちになります。(都市計画税については固定資産税と基本的に考え方は同じですが、市町村によって課税されない場合もあるため今回は割愛します。)
固定資産税は実際に完成後にならないと計算されないため、正確な金額が事前に分りません。
そのためある程度予備知識を持って対策をしておかないと、自治体からの固定資産税納付書の金額を見て驚きかねません。
平屋の場合は特に固定資産税が高くなる傾向があるため要注意です。
固定資産税を抑えるポイント①:土地と建物の面積に注目
固定資産税は、毎年1月1日時点で完成・登記された不動産を所有している人に対して課税されます。自治体によりますが、毎年4月〜5月に納税通知書が送られてきます。
新居に住み始めてしばらくすると、自治体から事前に連絡があり、家屋調査が行われます。
● 建物にかかる固定資産税
家屋調査では、建物のみの調査となります。総務省が定める固定資産評価基準に基づき、基礎の高さや各内装の仕上げや建材、設備のグレードや外装、建物構造など、建物の資産価値を評価します。
建物の固定資産税については、年数が経つと劣化による価値の減少があるため、3年ごとに見直され、少しずつ評価額が下がっていきます。
● 土地にかかる固定資産税
土地の場合は、社会情勢や地価の変動に伴って評価額が3年ごとに見直されます。
そのため、建物と違い土地が値上がりしていれば評価額が上がり、固定資産税も上がる場合があります。
● 固定資産税の軽減措置を知らないと損
総務省の固定資産税概要より、令和5年度現在、固定資産税の住宅用土地と建物に関してはその税負担を軽減する必要から、下記の特例措置があります。
土地に関して
土地面積200㎡以下の場合…固定資産税6分の1に軽減
土地面積200㎡以上の場合…固定資産税3分の1に軽減
これはこの土地に住宅がある限り適用されます。
建物に関して
建物床面積120㎡以下の場合…固定資産税2分の1に軽減
ただし、建物は新築の場合の最初の3年間のみの適用(長期優良住宅の場合は5年間)
ここで抑えたいポイントとして
200㎡は約60坪
120㎡は約36坪
つまり、土地は60坪未満、建物は36坪未満に抑えれば、軽減措置を適用できるということです。これを超えると軽減税率が下がり、万単位で金額が変わってきます。
知らないためにほんの少しオーバーしてしまった…と後悔しないようにしましょう。
固定資産税を抑えるポイント②:ミニマムを意識したカタチと設備
固定資産税を抑えるためには、固定資産税評価額を、言い換えれば資産価値を抑えることがポイントとなります。
土地に関して
・地価の安いエリアを選ぶ
・土地の広さを抑える
建物に関して
・シンプルな間取り、外形にして坪数や資材などの建設費を抑える
・グレードを抑えた住宅設備にする
・個室を減らす
などがあります。
これらを見ると、そもそもの建物の価格を抑えることが固定資産税を抑えるポイントとなっていることが分かります。
まとめ
出来ることなら平屋で暮らしたいと思う人は多いと思います。平屋を検討している場合は、土地選びからの手順がより重要となってきます。
固定費は家計の支出の大部分を占めてくるものとなるので、出来るだけ抑える方が良いです。平屋での暮らしは、多くのものを持たず、使い方に拘る現代の若者の暮らしに合っているため、利用できる軽減措置や補助金などは事前に調べておきましょう。