仲良く並ぶ兄妹の家
思わず深呼吸したくなるような美しい田園風景の中に、家が2軒、仲良く肩を並べている。
シックな黒い家と、爽やかな白い家。これらは、ある兄妹の家だ。黒い家にはお兄さんのご家族が、白い家には妹さんのご家族が暮らしている。
今回ご紹介するのは、お兄さんの住む黒い家。
ご夫婦と生まれたばかりのお子様が3人で暮らす、2階建ての家だ。
実はこの家には、ちょっと変わったストーリーがある。
本記事では”マイホームをもつ”ということの意味を再考するとともに、その豊かさの本質について、迫ってみたい。
「自分の家をずっと持ちたかった」一人暮らしにも、”マイホーム”という選択肢を
黒い外壁に、アシンメトリーに並ぶ大小の四角い窓。絶妙な傾斜のルーフと、広い面積に配置された木目調のデザイン壁が、素敵な第一印象をつくっている。
正面からは玄関扉が見えないこともあって、住宅というよりは、まるで何かのお店のような雰囲気だ。
そのスタイリッシュな佇まいは、あるいは”男前な見た目”とも言えるかもしれない。男性が好きそうというか、シンプルで、ソリッドな雰囲気。しかし、木目調のデザイン壁や 門柱の透かし細工のタイルが、全体に程よい温もりをプラスしていて、そのおかげもあってか、周りの田園風景にもよく馴染んでいるのが 印象的だった。
外壁デザインについて感想をお伝えすると、H様は笑って答えた。
「本当は白い家がいいと思っていたんですけど、隣の妹の家が先に白に決まってしまって。じゃあ自分は黒かと、黒い外壁にしたんですよ。結果とても気に入っていますが」
先に触れたように、家が隣同士の仲の良いご兄妹。家を建てた時期も、越した時期も、ほぼ同時だったそうだ。
「妹には何でも相談しますし、妹の旦那さんとも仲が良いです。彼女らが家を建てるというので、じゃあ自分も、と。自分の中では自然な流れだったように思います」
妹さんご夫妻が家を建てるタイミングで、ご自身も家を建てることにしたというH様。
しかしH様の人生にとってのこの”マイホーム”は、決して一般的なタイミングではなかった。
「この家を建てることに決めたとき、実は、まだ独身だったんです」
いずれ結婚をしたり 子供が生まれたりというイメージは持ちつつも、しばらくの間は一人で住むものとして、20代でマイホームを購入することに決めた。
これは家を建てる方の中でも、珍しいケースなのではないだろうか。H様はこう続ける。
「確かに、珍しいケースかもしれません。結婚して、家族のために”マイホームをもつ”というのが一般的ですよね。でも、自分の家をずっと持ちたかったので」
『自分の家をずっと持ちたかった』・・・この言葉が、とても印象に残った。夢のひとつとして、”マイホームをもつ”を挙げる人は少なくない。だけどそれはほとんどの場合、”結婚をしたら” “子どもができたら”という条件がつく。
けれども本当に、そうあるべきなのだろうか?
例えば、若いうちにローンを組んだほうがむしろ家賃より安くなるケースもあるし、仕事も遊びも忙しい20代から30代、持ち家があるということは、きっと心の拠り所になる。憧れの車と同じように、自分のものであるという事実に日々満たされもするだろう。
もしかすると私たちは、”マイホーム”という言葉のもつイメージに、支配されすぎているのかもしれない。
そのハードルを、必要以上に高くしすぎているのかもしれない。
広いリビングでくつろぎながら、ご自身の家について楽しそうに話すH様の姿を見ていると、”マイホームをもつ”という若者にはハードなイメージが、すこしだけ、和らいできた。
H様のように、『自分の家をずっと持ちたかった』という気軽な気持ちで、理想の家づくりを始めてもいいのかも。H様が成功したという肝心のハウスメーカー選びについては、後に改めてご紹介する。
自由設計だから、家主の人柄が表れる
しかしそうは言っても、”マイホーム”があるという事実は、H様にとって常にポジティブなものではなかった。
独身時代からこの家に住んでいたH様が一番緊張したのは、現在の奥様との結婚前に、すでに家があると打ち明けたとき。
「引かれないかな、と思いました。普通は驚きますから。でも、想像していたよりすんなり受け入れてくれて。ああそうなのって感じだったので、拍子抜けでしたね(笑)」
相手に受け入れられるか、やはり不安はあったという。彼女にとって重圧にならないだろうか、と。しかし奥様は、外観や内装、間取りなど、この家自体の魅力に まず共感してくれたそうだ。
「自由設計で建てた家なので、それを好きと言ってくれるのはやはり嬉しかったです」
リビングが広いこと、キッチンが大きいこと、部屋が多いこと…”マイホーム”だからこそのメリットはいくらでも挙げられるが、H様邸の本当の魅力はそこではない。
自由設計で、ゼロからこだわりを詰め込んだ家。
「みんなが集まる家に」というコンセプトで建てられたこの家は、いわばH様の人柄そのものだ。
開放的なリビングは、友人が大勢来ても寛げるような空間。キッチンに立つ人も会話を楽しめるよう、間取りが考慮されている。広く出し入れしやすい土間収納は、主にBBQ用品やアウトドア用品の収納場所だ。ここをひと目見れば、H様邸がよく人が集まる場所であり、引いてはH様が友人に愛される人間なのだということが窺えるだろう。2階の寝室から続くバルコニーからは、静かな時間も楽しめる人なのだという意外性が、WICに隠された書斎からは、遊び心が感じられる。
実際、取材のわずかな時間ではあったが、H様とH様邸は、とても馴染んでいるように思えた。
奥様が、ゼロからの自由設計のこの間取りを気に入ったというのは、つまりはH様の人間性そのものを気に入ったというふうにも、言い換えられるのではないだろうか。
この家に住み始めて3年目。昨年結婚し、10月にはお子様も生まれた。
モノトーンのクロスや家具たちは、家族の気配を含んで、以前より柔らかい印象になったようだ。
「奥さんが家に越してきて変化したことといえば、観葉植物が置かれたことくらいかな。だけど不思議と、家の雰囲気は大きく変わりました。人の空気だけで、家の表情って変わるんですね」
もっともこだわったというリビングには、大きなテレビとスピーカーの前に、座面の広い立派なソファが置かれている。
一人広々と寝ていたこのソファは、夫婦でくつろぐ空間になり、そして今後、お子様がお昼寝する場所になっていくのだろうか。
信頼している人がいたから、サンクスホーム
さて、H様がこの家をサンクスホームで建てたのは、実は妹さんの影響である。
もともとサンクスホームのスタッフだったH様の妹さん。普段から兄妹で仕事の話をしていたこともあって、良いイメージがすでに出来上がっていた。家を建てるよりずっと以前から、信頼を寄せていたそうだ。
「一生に一度の”マイホーム”。そのハウスメーカーをサンクスホームさんに決めることに、迷いはなかったです。というよりも、他の選択肢がなかったですね。先ほど、妹にはよく相談をしたりすると話しましたが、彼女は本当に忖度しない人で。そんな妹が、自分自身サンクスホームで家を建てるというんだから、間違いないだろうと。会社のアットホームな雰囲気もいいですよね」
妹さんをはじめ、スタッフと相談しつつ、間取りを決めた。
1階は広いリビングがメインで、2階は寝室を含め3部屋。1階はリビングから庭に、2階は寝室からバルコニー、それぞれ外へ出られるようになっている。運動をしたり、お酒を飲んだり、これからはお子様が遊んだり。家の中だけでなく、外にまで意識を及ばせていることが窺える。取材時すでに日が沈んでいたこともあり、クリーンな白の内装と、外に出た時のコントラストが印象的だった。
1階のリビングの続きにある、若い世代には珍しい和室は、最近 思わぬ役割を得た。
「以前はただ自分の昼寝用の部屋だった和室を、子ども用の部屋にしました。ベビーベッドを置いています。この場所に和室を作っておいて良かったですね」
リビング隣接の和室は、サンクスホームで自由設計される多くのお客様に人気が高い。
長い人生を考えたときに、可変性のある間取りは重宝する。すべての部屋に 決まった役割をもたせず、その時々で、変化させていくのだ。
お客さまの人生に丁寧に寄り添う、サンクスホームだからこその少しの工夫が、生活に大きな充実感をもたらしているように感じた。
一人でも、夫婦でも、家族でも。流動的に”マイホーム”を楽しむ
最後に、H様の人生にとって”マイホーム”とはなんですかと尋ねると、「流動的なもの」という答えが返ってきた。
「あまり重く受け止めず、その存在を、流動的に捉えてもいいと思うんです」
H様を中心に、そこで過ごす人によって、その関係性によって、役割を変えていく。
金銭面や人生のタイミング、その他諸々の障害により、私たちは”マイホームをもつ”ことに躊躇しがちだけど、常識にがんじがらめにならなくてもいいのかもしれない。
“マイホームをもつ”本当の豊かさは、きっとそこではないのだ。
人生に必要なものというのではなく、ただ、気持ちを十分に満たしてくれるもの。…どう生きたいか、何が幸せか。そんなことを自分自身に問うたときの答えのひとつとして、H様の選択のように、もっと世の中に浸透していくといいなと思った。
それに。プロに相談すれば、先に触れた問題は、案外簡単に解決したりする。これから家を建てる方は、H様にとっての妹さんほど 身近にハウスメーカーの人間がいなくとも、サンクスホームに是非気軽に頼っていただければ嬉しい。
家を建てることは、簡単じゃない。でも簡単じゃないことをちゃんと分かっていて、歩幅を合わせてくれるサンクスホームだったら、そのハードルはいくらか下がるはず。『マイホームが欲しい』という想いがどれだけ漠然としたものでも、このアットホームなハウスメーカーなら、一緒になって親身に考えてくれそうだ。
アルバムのように幸せを重ねて
今回ご紹介した一軒家は、先述のコンセプトのとおり、H様の明るい性格もあいまって、人が多く集まる家だ。もちろんお隣に住む妹さんご家族とも、よく互いの家を行き来するという。
まっさらな空間に、アルバムのように、思い出が足されていく。
「この家だから、色々な思い出ができたよねって、死ぬ時に言えたらいいな」
20代で”マイホーム”をもったH様。夢だったと話してはくださったが、これまでの人生、もしかしたら心のどこかで、コンプレックスに思うところも あったのかもしれない。
だけど、今、こんなにも幸せそうだ。
彼女ができて、結婚して、子供が生まれて、育っていく。…”マイホーム”という土台があるからこそ、積み重ねてくることができた、そして積み重ねていける幸せが、そこに見えた。
…冗談ぽく笑うH様に取材のお礼を述べつつ、この家はこの先も、流動的に、どこまでも可能性を広げていくのだろうなと、じんわりとあたたかな気持ちで 外に出た。
お隣に並ぶ、H様の妹さんの白い家については、この次の記事でご紹介したい。
これからお家づくりをはじめる方へ
サンクスホームでは、これから家づくりをはじめる人にとって参考になってもらえるよう、OB様邸について詳しく話を聞くことができる相談会を開催。
お家自体の事はもちろん、実際に暮らしているお施主様からリアルな話を聞く事ができる貴重な機会に。
※個別にて相談会を開催いたします。ご予約日時については、ご都合や予約状況に合わせて調整させていただきます。