静かな住宅街に建つ、三角屋根の可愛らしい家。
愛知県春日井市のT様邸は、20代のご夫妻が暮らす二階建て一軒家である。
シンメトリーな三角屋根の下、落ち着いた紺色の外壁には、長方形の窓が二つ。シンプルだけれど、さりげないこだわりが目を引くデザインだ。素朴で上品な印象を受ける。
玄関扉を開けると、白を基調とした清潔感のある内装が。木の質感が随所でアクセントとなっていて、柔らかな雰囲気を作っていた。
本記事では、コンパクトでシンプルな家だからこそ叶う、余白のある暮らしについてご紹介したい。そこには、設計段階からの、ご夫妻の「ライフスタイル」への想いが込められていた。
玄関ホールを抜けて奥のドアを開くと、柔らかな光の中に、ご夫妻こだわりの空間が広がっている。
お庭へと続く大きな窓のあるリビングダイニング。一日のうち、ご夫妻が最も長い時間を過ごすお部屋だ。
小ぶりなダイニングテーブルの上には、外観デザインを彷彿させる長方形の二つの窓。磨りガラスが外の世界を優しく遮断し、心地よいプライベート空間を作り出していた。
「これまでは賃貸のアパートに暮らしていたんです」と奥様。
「こんなに早く家を建てるつもりはなかったんですけど、マイホームはいいですね」
ご夫妻がこの家に住み始めたのは、2021年の3月。世界がコロナ禍となってから、ちょうど1年後のことだった。
となると、お家づくりを始めたのはコロナが流行し始めてすぐということになる。
当時、T様ご夫妻は新婚さん。
世の中の多くの新婚夫婦がこの状況に翻弄されたように、T様ご夫妻も、例に漏れず影響を受けた。
結婚式はギリギリ開催できたが、海外への新婚旅行の予定が白紙になったそうだ。
しかしここからが、T様ご夫妻の素敵なところ。
お二人は当時を思い出しながら、こう笑い合う。
「新婚旅行にも行けないし、予定が空いちゃったなと思って。それで、家でも見に行こっか!となったんです」
だからT様ご夫妻にとってマイホームは、人生の突然の順序変更というか、ご自身にとっても予想外のものであった。
しかし、そんなポジティブマインドをとても素敵だと思う。新婚旅行がダメになったから家を建てよう。…ご時勢柄の特殊な例ではあるが、もっと広まってもいい考えだと感じた。
そこからご夫妻は、いろいろなハウスメーカーのモデルハウスや建売・分譲住宅を比較検討。
最初は建売で考えていたが、サンクスホームの住宅を見学し、注文でもそこまで変わらない金額で建てられるならと、注文住宅に決められたそうだ。
しかしそこで、ある問題が。
実は、当時T様ご夫妻は20代前半。
施主様としては平均よりかなり若いご年齢である。
「年齢が若いという理由で、他のハウスメーカーさんでは相手にされていないと感じることもありました。その点サンクスホームさんは、最初から話をしっかり聞いてくださって、本当に親身になっていただけて。ここでならちゃんと自分たちの家づくりができると思ったんです」
担当さんには特に良くしてもらえた、とご夫妻。
実際 土地選びからローンの契約まで、手厚いサポートがあったそう。
サンクスホームだからこそ建てることができた家だと 思っていただけているようだった。
さて、住んで1年とおっしゃっていたが、リビングダイニングを見渡すと、まるで昨日越してきたように綺麗なことに驚く。生活感がないというか、とてもすっきりとしているのだ。
「ものを持ちたくないんです」と、まっすぐな目で奥様は話す。
「だから、収納には特にこだわりました。とにかく目につく場所にものを置きたくなかったので、各部屋に十分な収納スペースを用意しています」
ご夫妻において特に奥様は、もともとミニマリスト的な思考の持ち主。
しかし以前の賃貸アパートには十分な収納がなく、部屋がどうしても散らかってしまうことが、ご自身の中でストレスになっていたようだ。
そこで、家づくりでは十分な収納スペースを重視。T様邸は〈3SLDK〉の間取りで、各部屋のクローゼット以外に、納戸も設備されている。生活に必要なものは全て見えないところに仕舞えるよう工夫した。
収納スペースを作ったことで、家族のあるルールも生まれた。
「収納スペースに入らないものは持たない/買わないというルールを決めました。これは将来的にも守っていきたい。この間取りが、自分たちをこれからもずっと、ミニマリストでいさせてくれるような気がしています」
それは、ミニマリストのための間取りであり、ミニマリストでいるための間取り。
ご夫妻こだわりの設計によるT様邸は、『こう暮らしたい』という理想のライフスタイルを叶えるための、工夫に満ちた家だった。
ミニマルな暮らしを叶えるT様邸は、お部屋がシンプルな分、内装デザインやインテリアなどのこだわりが際立つ。
例えば、アクセントクロス。
いくつかの場所でポイントになる色を取り入れているが、特に目を引くのはキッチンのブルーだ。
鮮やかな水色が爽やかで可愛らしい。また、偶然見つけたと話すエアコンの水色が、このアクセントクロスによくマッチしていてお洒落だった。
照明は、基本が埋め込み照明なこともあり、デザイン性のあるものが目立っている。テレビ上の間接照明も素敵だが、奥様の特にお気に入りは、キッチンのクラックガラスのライト。平日は帰りの早いご主人が立たれることも多いという大きなキッチンに、きらきらと光が反射する。なんだか心の落ち着く光景だ。
その他 洗面台の鏡も、タイルの表札も、座面の広いソファも、ご主人のために置いたというディフューザーも。選りすぐりのそれらからは、ある種の愛を感じることができる。
ものの選択に、妥協を感じない。
自分たちが好きだから置いているというその姿勢は、見ていてとても心地よいものであった。
北欧系の雰囲気が好みなのだという奥様は、近い将来2つの楽しみがあるそうだ。
「素敵なオブジェを置きたいなと思って、玄関に棚を作ったんです。まだ置くものを選べていないので、近いうちに、お気に入りに出会えたらいいな」
もう1つは、ご主人と最近作り始めたというウッドデッキだ。
ご主人は電気工事士というご職業柄もあり、ものを作ったり直したりすることが得意なタイプ。(なんとコンセントもご自身で増設できるそう!)
そのため自分の手で暮らしを良くするという意識が高く、ウッドデッキも豊かな生活の要素として、1年間ずっとイメージしていたという。
「外でご飯食べたりする楽しみができそう」と話す奥様に、「夏までには…」と苦笑いなご主人であったが、お二人の雰囲気はワクワクに満ちていた。
ウッドデッキを作るというイベント自体がきっと、ご夫妻のお気に入りなのだ。
シンプルな暮らしだからこそ、自分の『本当のお気に入り』を見つめ直し、選び、取り入れることができる。
それってすごく、素敵な流れなんじゃないだろうか。
奥様が好きな北欧のスウェーデンでは、〈ラーゴム(Lagom)〉という考え方が注目されているらしい。
それは、「足るを知る」を大切にする哲学。多すぎず、少なすぎず、自分にとってちょうどいい量を知り満足することが、真の幸福に繋がるという考え方だ。
T様ご夫妻の『本当のお気に入り』だけに囲まれた生き方って、まさにこの〈ラーゴム〉ではないだろうか。
「引っ越してから家で過ごす時間が増えた」と話すご夫妻はどこかのんびりしていて、お二人の間には、現実よりもちょっとだけ ゆったりとした時間が流れているよう。
必要以上のものを持たないからこそ、大切なものに目を向ける余白が、生活に生まれる気がする。
そしてその余白が生み出すものはきっと、穏やかで優しい時間なのだ。
温かなご主人と、しっかり者の奥様。笑顔が素敵なお二人に「喧嘩なんてしないんじゃ?」と尋ねると、「たくさんしますよ」とのこと。
だけどきっと、この生活の余白が、ピリついたムードだって溶かしてくれるのだろう。
静かな光、優しい時間の中で、筆者もまた日々の喧騒を忘れていた。
玄関にオブジェが置かれ、ウッドデッキが仕上がる頃、この家にはどんな空気が流れているんだろうか。いや、そのずっと先だとしても、きっと今と変わらず心穏やかなお二人が、ゆったりと流れる時間を楽しんでいるはず。柔らかく照らされたダイニングテーブルを見ながら、この若いご夫妻がマイホームと生きていくこれからの人生に、希望のようなものを感じた。
サンクスホームでは、OB様邸について詳しく話を聞くことができる「OB様邸相談会」を随時開催している。お家づくりの先輩たちのモデルケースを参考に、自分にあったお家づくりのスケジュールから、間取りプランや資金計画をきっと見つけられるはずだ。住み始めた後のリアルな声も公開しているので、住み替えをお考えの方には是非ご参加いただきたい。お問い合わせは下部のフォームから。
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