OB様インタビュー

OB INTERVIEW
自由設計

「マイホーム」に人生を重ねて。三重県津市H様邸

仲良く並ぶ兄妹の家

思わず深呼吸したくなるような美しい田園風景の中に、家が2軒、仲良く肩を並べている。

シックな黒い家と、爽やかな白い家。これらは、ある兄妹の家だ。黒い家にはお兄さんのご家族が、白い家には妹さんのご家族が暮らしている。

兄弟で並ぶ新築住宅
|白と黒の家が隣同士で並んでいる

今回ご紹介するのは、お兄さんの住む黒い家。

ご夫婦と生まれたばかりのお子様が3人で暮らす、2階建ての家だ。

実はこの家には、ちょっと変わったストーリーがある。

本記事では”マイホームをもつ”ということの意味を再考するとともに、その豊かさの本質について、迫ってみたい。

三重県津市の新築戸建て
|三重県津市H様邸

「自分の家をずっと持ちたかった」一人暮らしにも、”マイホーム”という選択肢を

黒い外壁に、アシンメトリーに並ぶ大小の四角い窓。絶妙な傾斜のルーフと、広い面積に配置された木目調のデザイン壁が、素敵な第一印象をつくっている。

正面からは玄関扉が見えないこともあって、住宅というよりは、まるで何かのお店のような雰囲気だ。

そのスタイリッシュな佇まいは、あるいは”男前な見た目”とも言えるかもしれない。男性が好きそうというか、シンプルで、ソリッドな雰囲気。しかし、木目調のデザイン壁や 門柱の透かし細工のタイルが、全体に程よい温もりをプラスしていて、そのおかげもあってか、周りの田園風景にもよく馴染んでいるのが 印象的だった。

玄関の目隠しにもなるコートライン
|H様邸玄関デザイン

外壁デザインについて感想をお伝えすると、H様は笑って答えた。

「本当は白い家がいいと思っていたんですけど、隣の妹の家が先に白に決まってしまって。じゃあ自分は黒かと、黒い外壁にしたんですよ。結果とても気に入っていますが」

先に触れたように、家が隣同士の仲の良いご兄妹。家を建てた時期も、越した時期も、ほぼ同時だったそうだ。

「妹には何でも相談しますし、妹の旦那さんとも仲が良いです。彼女らが家を建てるというので、じゃあ自分も、と。自分の中では自然な流れだったように思います」

インタビューに答えるお施主様
|取材時はお隣に住む妹さん(奥)にもご同席いただいた

妹さんご夫妻が家を建てるタイミングで、ご自身も家を建てることにしたというH様。

しかしH様の人生にとってのこの”マイホーム”は、決して一般的なタイミングではなかった。

「この家を建てることに決めたとき、実は、まだ独身だったんです」

いずれ結婚をしたり 子供が生まれたりというイメージは持ちつつも、しばらくの間は一人で住むものとして、20代でマイホームを購入することに決めた。

これは家を建てる方の中でも、珍しいケースなのではないだろうか。H様はこう続ける。

「確かに、珍しいケースかもしれません。結婚して、家族のために”マイホームをもつ”というのが一般的ですよね。でも、自分の家をずっと持ちたかったので」

『自分の家をずっと持ちたかった』・・・この言葉が、とても印象に残った。夢のひとつとして、”マイホームをもつ”を挙げる人は少なくない。だけどそれはほとんどの場合、”結婚をしたら” “子どもができたら”という条件がつく。

けれども本当に、そうあるべきなのだろうか?

例えば、若いうちにローンを組んだほうがむしろ家賃より安くなるケースもあるし、仕事も遊びも忙しい20代から30代、持ち家があるということは、きっと心の拠り所になる。憧れの車と同じように、自分のものであるという事実に日々満たされもするだろう。

もしかすると私たちは、”マイホーム”という言葉のもつイメージに、支配されすぎているのかもしれない。

そのハードルを、必要以上に高くしすぎているのかもしれない。

広いリビングでくつろぎながら、ご自身の家について楽しそうに話すH様の姿を見ていると、”マイホームをもつ”という若者にはハードなイメージが、すこしだけ、和らいできた。

H様のように、『自分の家をずっと持ちたかった』という気軽な気持ちで、理想の家づくりを始めてもいいのかも。H様が成功したという肝心のハウスメーカー選びについては、後に改めてご紹介する。

20代独身でマイホーム購入を決めたお施主様
|20代“マイホーム”購入を決めたH様

自由設計だから、家主の人柄が表れる

しかしそうは言っても、”マイホーム”があるという事実は、H様にとって常にポジティブなものではなかった。

独身時代からこの家に住んでいたH様が一番緊張したのは、現在の奥様との結婚前に、すでに家があると打ち明けたとき。

「引かれないかな、と思いました。普通は驚きますから。でも、想像していたよりすんなり受け入れてくれて。ああそうなのって感じだったので、拍子抜けでしたね(笑)」

相手に受け入れられるか、やはり不安はあったという。彼女にとって重圧にならないだろうか、と。しかし奥様は、外観や内装、間取りなど、この家自体の魅力に まず共感してくれたそうだ。

「自由設計で建てた家なので、それを好きと言ってくれるのはやはり嬉しかったです」

リビングが広いこと、キッチンが大きいこと、部屋が多いこと…”マイホーム”だからこそのメリットはいくらでも挙げられるが、H様邸の本当の魅力はそこではない。

自由設計で、ゼロからこだわりを詰め込んだ家。

「みんなが集まる家に」というコンセプトで建てられたこの家は、いわばH様の人柄そのものだ。

開放的なリビングは、友人が大勢来ても寛げるような空間。キッチンに立つ人も会話を楽しめるよう、間取りが考慮されている。広く出し入れしやすい土間収納は、主にBBQ用品やアウトドア用品の収納場所だ。ここをひと目見れば、H様邸がよく人が集まる場所であり、引いてはH様が友人に愛される人間なのだということが窺えるだろう。2階の寝室から続くバルコニーからは、静かな時間も楽しめる人なのだという意外性が、WICに隠された書斎からは、遊び心が感じられる。

実際、取材のわずかな時間ではあったが、H様とH様邸は、とても馴染んでいるように思えた。

奥様が、ゼロからの自由設計のこの間取りを気に入ったというのは、つまりはH様の人間性そのものを気に入ったというふうにも、言い換えられるのではないだろうか。

広い玄関と収納
|沢山靴を並べられる広々とした玄関スペースからも、H様の来客への思いやりが感じられ

この家に住み始めて3年目。昨年結婚し、10月にはお子様も生まれた。

モノトーンのクロスや家具たちは、家族の気配を含んで、以前より柔らかい印象になったようだ。

「奥さんが家に越してきて変化したことといえば、観葉植物が置かれたことくらいかな。だけど不思議と、家の雰囲気は大きく変わりました。人の空気だけで、家の表情って変わるんですね」

もっともこだわったというリビングには、大きなテレビとスピーカーの前に、座面の広い立派なソファが置かれている。

一人広々と寝ていたこのソファは、夫婦でくつろぐ空間になり、そして今後、お子様がお昼寝する場所になっていくのだろうか。

20帖以上のLDK
|H様こだわりの開放的なリビングルーム

信頼している人がいたから、サンクスホーム

さて、H様がこの家をサンクスホームで建てたのは、実は妹さんの影響である。

もともとサンクスホームのスタッフだったH様の妹さん。普段から兄妹で仕事の話をしていたこともあって、良いイメージがすでに出来上がっていた。家を建てるよりずっと以前から、信頼を寄せていたそうだ。

「一生に一度の”マイホーム”。そのハウスメーカーをサンクスホームさんに決めることに、迷いはなかったです。というよりも、他の選択肢がなかったですね。先ほど、妹にはよく相談をしたりすると話しましたが、彼女は本当に忖度しない人で。そんな妹が、自分自身サンクスホームで家を建てるというんだから、間違いないだろうと。会社のアットホームな雰囲気もいいですよね」

妹さんをはじめ、スタッフと相談しつつ、間取りを決めた。

1階は広いリビングがメインで、2階は寝室を含め3部屋。1階はリビングから庭に、2階は寝室からバルコニー、それぞれ外へ出られるようになっている。運動をしたり、お酒を飲んだり、これからはお子様が遊んだり。家の中だけでなく、外にまで意識を及ばせていることが窺える。取材時すでに日が沈んでいたこともあり、クリーンな白の内装と、外に出た時のコントラストが印象的だった。

1階のリビングの続きにある、若い世代には珍しい和室は、最近 思わぬ役割を得た。

「以前はただ自分の昼寝用の部屋だった和室を、子ども用の部屋にしました。ベビーベッドを置いています。この場所に和室を作っておいて良かったですね」

リビング隣接の和室は、サンクスホームで自由設計される多くのお客様に人気が高い。

長い人生を考えたときに、可変性のある間取りは重宝する。すべての部屋に 決まった役割をもたせず、その時々で、変化させていくのだ。

お客さまの人生に丁寧に寄り添う、サンクスホームだからこその少しの工夫が、生活に大きな充実感をもたらしているように感じた。

リビングと隣接する和室
|現在はお子様のスペースになっているという日当たりの良い和室

一人でも、夫婦でも、家族でも。流動的に”マイホーム”を楽しむ

最後に、H様の人生にとって”マイホーム”とはなんですかと尋ねると、「流動的なもの」という答えが返ってきた。

「あまり重く受け止めず、その存在を、流動的に捉えてもいいと思うんです」

H様を中心に、そこで過ごす人によって、その関係性によって、役割を変えていく。

金銭面や人生のタイミング、その他諸々の障害により、私たちは”マイホームをもつ”ことに躊躇しがちだけど、常識にがんじがらめにならなくてもいいのかもしれない。

“マイホームをもつ”本当の豊かさは、きっとそこではないのだ。

人生に必要なものというのではなく、ただ、気持ちを十分に満たしてくれるもの。…どう生きたいか、何が幸せか。そんなことを自分自身に問うたときの答えのひとつとして、H様の選択のように、もっと世の中に浸透していくといいなと思った。

それに。プロに相談すれば、先に触れた問題は、案外簡単に解決したりする。これから家を建てる方は、H様にとっての妹さんほど 身近にハウスメーカーの人間がいなくとも、サンクスホームに是非気軽に頼っていただければ嬉しい。

家を建てることは、簡単じゃない。でも簡単じゃないことをちゃんと分かっていて、歩幅を合わせてくれるサンクスホームだったら、そのハードルはいくらか下がるはず。『マイホームが欲しい』という想いがどれだけ漠然としたものでも、このアットホームなハウスメーカーなら、一緒になって親身に考えてくれそうだ。

家づくりを楽しむ様子
|いえづくりを楽しそうに振り返る

アルバムのように幸せを重ねて

今回ご紹介した一軒家は、先述のコンセプトのとおり、H様の明るい性格もあいまって、人が多く集まる家だ。もちろんお隣に住む妹さんご家族とも、よく互いの家を行き来するという。

まっさらな空間に、アルバムのように、思い出が足されていく。

「この家だから、色々な思い出ができたよねって、死ぬ時に言えたらいいな」

20代で”マイホーム”をもったH様。夢だったと話してはくださったが、これまでの人生、もしかしたら心のどこかで、コンプレックスに思うところも あったのかもしれない。

だけど、今、こんなにも幸せそうだ。

彼女ができて、結婚して、子供が生まれて、育っていく。…”マイホーム”という土台があるからこそ、積み重ねてくることができた、そして積み重ねていける幸せが、そこに見えた。

…冗談ぽく笑うH様に取材のお礼を述べつつ、この家はこの先も、流動的に、どこまでも可能性を広げていくのだろうなと、じんわりとあたたかな気持ちで 外に出た。

お隣に並ぶ、H様の妹さんの白い家については、この次の記事でご紹介したい。

黒いデザインの住宅
|これからも流動的に、その役割を変えて